2012年05月11日

遂に動き出した真のアレルギー医療改革

久我山アレルギークリニック所長長屋宏先生は久我山病院及び関係各位へ平成24年5月7日以下の書状を出状されました。当患者の会へもコピーが送られてきましたので公開いたします。日本のアレルギー医療改革のために鋭意立ち上がった先生のご決断に敬意を表すると共にその想いが一刻も早く実現するよう皆様と共に祈念いたします。 久我山アレルギー患者の会 発起人 佐藤昭彦
         記
東京都世田谷区北烏山2−14−20
社会福祉法人康和会久我山病院
理事長 中澤廣重先生
院長  里見和彦先生

前略
 平成24年3月30日に里見院長からのお話に関して、私の忌憚のない愚見をお読み戴ければ幸甚でございます。

(T)久我山アレルギークリニックの“PHASE OUT”の是非
 平成24年3月30日に久我山病院の経営者の方々とお会いした際に、久我山アレルギークリニックの後継者が未定であるので、私が高齢のために仕事を続けられなくなることを想定されて、アレルギークリニックを“PHASE OUT”するようにとのお話でした。申し上げるまでもなく、“PHASE OUT”するという意味は段階的に患者数を減らすことで、それを実行する最も安易な方法は新しい患者さんをお断りすることです。
 しかし、新患をお断りしても、平成2年7月に私が久我山病院にアレルギー科を新設した直後から20年以上通院しておられる方々も含めて、10年以上通院されている方も多数おられます。このような患者さん達の中には、喘息発作で意識不明に陥った後、辛うじて命拾いした後で当科を受診して喘息症状が全く起らなくなり、長年のステロイド依存性の重症喘息から開放された方達も含まれています。当然、そのような方たちも含めて、現在通院されている全ての患者さんは一日でも長く久我山アレルギークリニックにおいてアレルゲン免疫療法(俗称、減感作療法)を続けることを望んでおられます。

(U)日本で20年以上標準化ダニ・アレルゲンを使用した免疫療法で実績を公表しているのは久我山アレルギークリニックだけ
 今更申し上げるまでもなく、花粉やホコリに含まれているダニなどのように、容易に回避できないアレルゲンによって起こる花粉症や喘息に対する唯一の根本的治療法がアレルゲン免疫療法です。しかし、日本では世界保健機構(WHO)が推奨する世界的に最高水準の標準化ダニを使用したアレルゲン免疫療法を受けることが可能なのは久我山アレルギークリニックにおいてだけです。その理由は、久我山アレルギークリニック以外で減感作療法を受けている殆どの喘息患者には、内容不明なためにWHOが不適切なアレルゲンと呼んでいるハウスダストが使用されているからです。
 現在の日本アレルギー協会理事長、宮本昭正先生が1968年に世界で2番目に、ハウスダストに含まれている最重要なアレルゲンがコナヒョウヒダニであることを報告されました。
 しかし、その画期的な論文発表から44年を経た今日まで、小児喘息の最大の原因であるダニに対するアレルゲン免疫療法に必要なダニ・ワクチンさえも日本では製造も市販もされたことはありません。その上、もっと驚くのは、日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会がが監修した『喘息予防・管理ガイドライン2009』には“日本では定量化されたダニ抗原がなく、ハウスダストを用いざるを得ない”と書いてあることです。少子化時代に年々急速に増加している小児喘息患者を抱えている日本において、標準化ダニ・ワクチンを使用したアレルゲン免疫療法による早期介入のみが、長期間持続する寛解もしくは治癒をもたらす可能性があります。したがって、日本アレルギー学会こそが“定量化されたダニ抗原”の日本における製造、販売を一刻も早く実現する責任を背負っているのに、“ハウスダストを用いざるを得ない”という記載は、その責任を果たさない傍観者としか受けとれません。その実証として、2010年に行なわれた日本医科大学の内科、小児科、呼吸器科とアレルギー科合計124科における減感作治療実施状況に関するアンケートの結果によれば、少数の患者に対してダニを使用しているのが5科(4%)のみで、90%の科では減感作療法は全く行なわれていないことが判明しました。このことは、医学生や研究医に対する教育が行なえないだけでなく、大学教授でさえもダニ免疫療法の経験を得られない可能性も否めません。
 そのような憂慮すべき可能性が実在することを疑わせるような“アレルギー疾患の治療に関する2010-2011における最新のエビデンスの紹介本と銘打った 『Evidence-Based-Medicine(EBM)アレルギー疾患の治療』に出会いました。その本には、驚いたことに、同一筆者が1999年に発表したハウスダストを使用した減感作療法の効果が、いつの間にかダニ免疫療法における治療奏効群として恰もダニを使用した免疫療法による最新のエビデンスと誤解されかねないように引用されています。日本の医科大学では、現在でもハウスダストがEBMに適ったアレルゲンであると教えているのでしょうか?

(V)小児喘息の治療には標準化ダニ・アレルゲン免疫療法で早期介入せよ
 このように日本における小児喘息に対するアレルギー診療の水準は、唯一の有効な根本的治療法である標準化ダニ・アレルゲン免疫療法が行われていないという観点から、1958年に日本で初めて減感作療法が行なわれた時代から十分な進歩を遂げていません。そのために欧米の先進国におけると同水準の治療を希望して過去20年以上多数の喘息患者が久我山病院に来ておられます。その上、日本のアレルギー専門医から受ける一時的効果しか無い対症療法のみに失望して、米国のアレルギー専門医を訪れる人も少なくないようです。
 しかし、渡米して持ち帰った米国の医師が作製したダニ・ワクチンの注射を受けるために当科に来院された方の治療液のダニの濃度が、必要な維持量の100分の1しかない症例にも出会っています。
 米国では、全てのアレルギー専門医がアレルギー免疫療法を行なっていますが、5歳以下の子供には殆ど行なっていません。
 しかし、久我山病院では5年前から2歳以上の子供の喘息には、できるだけ早期にダニ免疫療法で介入することによって治療開始後1年以内に全員無症状になっています。その中の1人の少年は治療開始から9ヶ月で喘息だけでなく、合併していたアトピー性皮膚炎も通年性鼻炎も無症状になり、ダニに対する皮膚テストも陰性化しました。これはダニ・アレルゲン免疫療法で早期介入すれば小児喘息を含めたダニに因る全てのアレルギー症状も治癒する可能性を示唆するものとして、今年3月に米国フロリダ州で開かれたAmerican Academy of Allergy, Asthma & Immunology の総会で発表させて戴きました。

(W)日本で唯一標準化ダニアレルゲン免疫療法を行なっている久我山アレルギークリニックを縮小、廃止するのではなく、少子化時代に急増している全国の小児喘息患者を救えるように普及しよう
 過去20年以上、社会福祉法人康和会久我山病院と久我山アレルギークリニックにおいて行なわれてきました標準化ダニ・アレルゲン免疫療法による早期介入が小児喘息を含めたダニ・アレルギー疾患に対して高度な治療効果を示すことをご理解いただきましたかと存じます。現在通院中の患者さんの治療を継続すると同時に、未だに、この治療を受ける機会に恵まれていない多くの小児喘息患者にも、一生ダニ喘息から開放される機会を与えたいと思います。そのためにはダニ・免疫療法の高度な有効性を地域の講演会やインターネットを利用して全国の喘息患者に知らせたいと思います。日本中の小児喘息患者がダニ・免疫療法で救われる可能性を知れば、日本アレルギー学会もダニ・免疫療法が全国レベルで普及する必要性を認識せざるを得なくなると思われます。そうなれば、日本アレルギー学会の権威を背景に持った信頼できるアレルギー専門医を久我山病アレルギークリニックに招聘することが可能になると信じています。
 このようなことは過去30年以上欧米の先進国では当たり前のこととして行われていますので、遅かれ早かれ日本においても必然的に行なわれると思います。


(X)最終結論
 結論として久我山アレルギークリニックの縮小ではなく、ダニ・アレルゲン免疫療法を日本アレルギー学会の主導のもとに全国に普及する目的で私が行なっている活動のご支援、ご協力を賜るようにお願い申し上げます。それと同時に、過去20年間の康和会久我山病院のアレルギー診療に対する社会貢献の評価の再認識を訴える方向にご指導戴けるようによろしくお願い申し上げます。
平成 2 4 年 5 月 7 日

敬具
東京都世田谷区南烏山4−12−5
            TS烏山ビル5F
久我山アレルギークリニック 院長
久我山アレルギー研究所  所長
久我山病院特別顧問
長 屋  宏

追伸
 本書状に記載しました日本におけるアレルギー診療の実情とその改革が必要であることに鑑み、写しを厚生労働大臣、日本アレルギー学会、日本アレルギー協会、東京都知事に送付しました。
                                             以上
posted by AS at 10:14| Comment(6) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
長屋先生が5月7日に久我山アレルギークリニックの縮小に反対する手紙を出したことは分かりました。
その後どのように進展しているのでしょうか?
Posted by Yuki Shinoda at 2012年05月30日 02:08
質問してから2週間以上経ちましたが、何の返事も頂いていません。
これって失礼じゃないですか!!!
進展がないならない、分からないなら分からない、と書けばいいのです。
質問にいつまで経っても答えないなんて、無責任です。
Posted by Yuki Shinoda at 2012年06月20日 01:30
その後、情報は入ってきておりません。ご興味をいただいておられる方には失礼いたしました。進展なきためパソコンを開かない期間が長くなりご迷惑をおかけいたしました。
敢えて小生の穿った見方で想像すれば、今回の書状は各方面へ公開されているため、何れの当事者も自ら反応しかねているのではないかと思われます。
 ただ、発信人に対して個人的なプレッシャーをかけようとする動きがあるようにも思われます。
その証左として思われることは、厚生労働省と久我山病院が結託して長屋宏先生の過去20年間の医療行為の違法性を指摘する掣肘が加えられようとしているかのごとくであります。
従い、違法性の根拠となる法律、規則その他の具体的な条文を書面で示すように病院側へ要請した旨の情報を戴きました。その後はなんら進展の情報は入っておりません。今後何らかの進展情報が入りましたら本ブログへ掲載するつもりでおります。
以上であります。  
Posted by 佐藤昭彦 at 2012年06月23日 09:24
本記事のその後の進展については当方には何ら情報がありません。なお、小生は当会の発起人ではありますが、常設組織の長たる会長ではありません。そもそも本会は現在は組織としての活動を停止しております。もともと有志の自発的な活動が主体となっており、組織としてはその都度形成され解消されてきております。発起設立以来自発的・積極的な有志の意思に基づ活動でしたが、今後組織としての活動が再開される見通しは不明です。
Posted by 佐藤昭彦 at 2012年09月10日 17:46
Posted by vicks at 2012年09月23日 22:15
この掲示板の方が長屋先生の治療法やクリニックの現状について情報が多いのでURL貼っておきます。
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/allergy/1308406111/
Posted by at 2013年07月16日 21:41
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