2011年04月29日

より良いアレルギー医療の実現のために

2007年05月13日
長屋式減感作療法の真髄
日本のアレルギー医療改革に資するかと思い、以下に長屋宏医師の治療法について分析しましたので皆さんに報告いたします。   as
   
平成19年5月
長屋式減感作療法の真髄

                      久我山アレルギー患者の会
                              発起人

長屋式減感作療法とはどのような治療法であろうか。
1.はじめに
 東京都世田谷区所在の久我山病院アレルギー科部長長屋宏医師による「長屋式減感作療法」とはどのような治療法なのかについて一患者の立場からその治療法の真髄と思われる治療構造を述べたいと思う。その理由はアレルギーの治療法であるこの「長屋式減感作療法」が久我山病院において、2007年5月現在、これまでの16年間に900名を超える花粉症、アレルギー性皮膚炎、更には喘息などの重篤なアレルギー疾患の患者を快方に導いてきた治療法だからである。この治療法が如何にアレルギー患者に軽快への光明を与えてきたかの原因究明を試みるに当たり、次の二つの点について明らかにすることにより説明したいと思う。その一は日本の従来の減感作療法との違い、その二は米国において現在行われているアレルギー免疫療法との違い、について述べることである。
2.日本の従来の減感作療法との違い
@.長屋式減感作療法を説明するにはまず第一に、日本の従来の減感作療法
(以下、「減感作療法」と定義。)との違いについて述べる。
「減感作療法」は1958年に東大物療内科において初めて行われたとされるハウスダストによる治療法である。しかしこの治療法は今日に至るまで殆んど改良されることなく行われてきているという点がまずもって明記されなければならない。長屋式減感作療法を知るにはこの点との違いを把握することが必要である。
A.アレルギーの原因物質を知るための皮膚テスト
そもそも、アレルギー患者にとって最も重要なことは、その患者にアレルギー症状を起こしているアレルギーの原因物質(医学的にはアレルゲンと呼ばれる。)が何であるかを知ることである。そのためにはアレルギーテストを行ってアレルゲンを確認しなくてはならない。アレルゲンの確認は血液テストによっても可能であるが、皮膚テストの方が血液テストよりも感度が高いので、血液テストだけを行って皮膚テストを行わないと、原因アレルゲンを見逃すことが少なくない。
B.皮膚テスト用及び治療用のエキスと日本の現状
従って、正しいアレルギー治療を行う第一歩はアレルギーの皮膚テストを行うことである。そのためには適切な種類と数のアレルギー皮膚テスト用のエキスが製造且つ市販されている必要がある。アレルギー病の代表とも言うべき花粉症を例にとってみても、日本で現在花粉アレルギーに対する皮膚テスト用のエキスとして日本で製造されて厚生労働省の承認を受けて市販されている花粉はスギやブタクサを含めて僅か12種類しかない。それに比べて米国政府の厳重な検査を受けて米国で市販されている花粉に対する皮膚テスト用のエキスは60種類以上ある。重要な点は日本のスギ花粉症患者の99%はヒノキ、ニレ、カシ、モクセイなどスギ以外の木の花粉に対してもアレルギー反応を示し、86%はスギ花粉と同時に飛散する多くのイネ科の草の花粉にも強いアレルギー反応を示している。しかし日本ではヒノキ、ニレ、カシ、モクセイや多くのイネ科の草の花粉に対しては皮膚テスト用のエキスは全く製造も市販もされていないから皮膚テストさえも行うことができない。もともと花粉アレルギーに対して皮膚テストを行う理由は、万一アレルギー反応があった場合には花粉を完全に避けることは不可能であるから花粉に対してアレルギーを起こさない免疫を作る治療即ちアレルギー免疫療法(減感作療法と同じ意味)を行って花粉症を治療するためである。しかし日本にはスギ花粉以外のヒノキなど前記した春の花粉症の主な原因である木々やカモガヤとオオアワガエリ以外のイネ科の草の花粉に対しては皮膚テスト用のエキスがないだけではなくスギ花粉以外のヒノキなどの木々の花粉やカモガヤとオオアワガエリも含めた全てのイネ科の草の花粉に対する治療用エキスも全く市販されていない。もっと重要な問題は、日本でもハウスダストがアレルギーを起こすのは家のホコリに含まれているヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニと呼ばれるダニが原因であることが40年前に証明されたのに未だに内容が全く不明なハウスダストのエキスが50年前と同様に喘息や鼻炎の減感作治療のために使用されていることである(これが「減感作療法」の現状)。それに対して、米国では100%純粋なダニのエキスを作るだけでなく、そのエキスに含まれている重要なアレルゲンのタンパク質が、どの程度の反応を皮膚に起こすかを基準にして減感作治療が安全且つ有効に行われるように標準化されていることである。このように過去50年近く日本の「減感作療法」は殆んど改良されることなく放置され続けてきたので期待された効果が出ず日本では次第に「減感作療法」は効かないものという常識が専門家の間ですら蔓延するようになり、今日に至っている。
3.米国において現在行われているアレルギー免疫療法と長屋式減感作療法
これに対して、欧米において現在広く行われているアレルギーの治療法は、特に米国に於いて日進月歩を遂げてアレルギー免疫療法(「減感作療法」の進化したアレルギーの治療法)として確立し現在に至っているが、長屋式減感作療法はこのアレルギー免疫療法を長屋宏医師によって更に緻密な個別患者対応の治療法として確立された長屋医師独自の治療法である。それは端的に言って個々の患者のアレルギー反応に応じて作られた必要にして十分な治療液を使った治療法であるためにアレルギー症状の改善に顕著な効果を発揮しており、他の専門病院(同愛記念病院を含む)でどんな治療を受けても回復できなかった重篤なアレルギー患者がここ久我山病院の長屋医師の治療で快方に向かっている。軽快のための必要年月は数年から早いものでは1ヶ月という患者のケースもある。このことをできるだけ多くの人々に知っていただきたいと思う。「必要にして十分な治療液」とはアレルギー患者がアレルギー反応を示す全ての主要なアレルゲンを含む治療液という意味である。
4.長屋式減感作療法の背景とその構造
@.標準化された全ての主要アレルゲン(抗原)の採用
米国には標準化されたアレルゲンを含む100種類を超えるアレルゲンが入手可能であり、米国内の医療機関においてはそれらのアレルゲンを駆使して何時でも何処でもアレルギー患者はアレルギー免疫療法を受けることができると聞いている。
付言するが、米国のテスト・治療液は異民族を対象とした米国民向けに標準化されており、勿論日本人にも標準化されたものと言えるであろう。
現在、日本では入手可能な国産のアレルゲンの種類が少なく、長屋医師は必要なアレルゲン(アレルギーテスト・治療液用)を日本アレルギー協会を通じて米国から取り寄せている。従って、長屋宏医師の治療では「必要にして十分な治療液」が使われていると言える。ここに長屋式減感作療法の真髄がある。
 A.長屋式減感作療法の根底にある米国に於けるアレルギー免疫療法の実情
長屋式減感作療法は長屋医師が米国で行っていた治療法である。しかし、筆者が米国で他の医療機関で受けた治療法とはすこし異なっていた。米国で広く行われているとされるアレルギー免疫療法、これを筆者はカリフォルニア州、インディアナ州、及びミシガン州において受けていたが、その治療法は次のようなものであった。
まず、最初に@アレルギー専門医による問診により検査対象としておおよそのアレルゲン(20〜150種類)がピックアップされそれらによる皮膚テストによって対象アレルゲンを確定し、次にA何らかのフォーマットに従ってその確定されたアレルゲン(因みに小生の場合は加州で46種類、インディアナ州で0、ミシガン州で38種類)の混合注射液の注射が始まった。そのフォーマットとは次のようなものであった。初めの3ヶ月は週2回、次の3ヶ月は週1回、その次の2ヶ月は2週間に1回、というように漸次注射の回数を減らし、間隔をあけて行くというやり方であった。その間注射の反応は見ることなく、注射後15分間待合室で様子を見た上で看護婦の所見により特に異常がなければ帰宅を許されるというものであった。小生は一度週1回の注射の時期に2度目の注射を求めて来院したことがあるがその時は看護婦から「あなたは今週はもう1回注射していますから来週まで注射はできません。」と追い返されたことがある。一定のフォーマットに従って注射をするという治療法が確立しているようであった。
B.長屋式減感作療法確立への契機
これに対して長屋宏医師の治療法は少し異なっている。米国で小生が体験した治療法との比較で述べると次のようになる。
まず上記@については同じである。しかしAが異なっている。
長屋医師が30有余年の米国大学でのアレルギー医学及びアレルギー臨床研究の成果・ノウハウを結集して始めた治療法は米国で普通に行われている治療法を踏襲していない。むしろ踏襲できないところから始まったというのが正鵠を得ているであろう。長屋医師がロスアンゼルスで初めて診療所を始めたとき他のどのアレルギー専門医もが使っている看護婦を雇う資力がなかったという。
4.長屋式減感作療法の原点
診療所を始めた当時、長屋医師はカリフォルニア大学の教授であった。
ここで余談になるが、米国では州立大学教授の特権としてその子女が州立大学へ入学する場合学費の免除が許されている。長屋医師の娘さんが高校3年になって大学受験を目指した時期、カリフォルニア州立大学に進学するには資金的には無料ゆえ問題はなかった。しかし、娘さんはスタンフォード大学(米国で現在女子ではナンバー1との評判の私立大学の名門でその学費・寮費などを合わせると年間で約3万ドルかかる)への入学が許されていた。大学教授の年収(約3万ドル)ではその願いを叶えることは不可能であった。そこでわが子の学資を稼ぐニーズに迫られ、診療所を始めることを思いついたという。しかし自らの収入では秘書以外に看護婦を雇う余裕はなく、そのために、長屋医師は自ら看護婦なしで治療する方法を考案することとなった。ここに長屋式減感作療法を始める原点があった。
5.長屋式減感作療法の緻密な個別患者対応型治療法
長屋医師は米国式のアレルギー免疫療法を行いつつ看護婦ではなく自ら反応を診るという方法で診療を行い個々の患者の反応を観察することとなった。その後1990年に帰国して始めた久我山病院での診療では米国から必要なアレルゲンを取り寄せ個々の患者に合わせた治療液を作りそれを中心にした治療法を実施することとなる。今日長屋医師の治療を受けている患者にとっては説明するまでもないが、まずは長屋医師自ら個々の患者用の治療液を作り、その液を中心に日本で可能な治療液と共に例えば50万分の1、5万分の1、5千分の1、5百分の1、50分の1の濃度の液を作り、それを薄い順に注射し、患者の注射局所の反応を診ながら次回の注射の濃度・量を決めて行くという緻密な個別患者対応型の治療法である。米国で普及しているフォーマットに従った患者一般に適用される方式とは異なる個別方式による治療法のスタートである。この方法では特に一定のフォーマットに従うなどの注射の間隔は必要ではなく、患者が自らの必要・都合に応じて連日でも注射を受けることが可能であり、その注射された液の量の積み重ねで症状の改善が期待されるというものである。この治療法は患者個々の症状・ニーズに応じて短期間で症状の改善の可能性が期待でき、短期間で重篤な喘息患者が軽快するという例ももたらしている。
一般に減感作治療が何故にアレルギー症状を軽快させるかの科学的根拠は長屋宏医師によって近々メディカルトリビューン社から出版予定の「日本のアレルギー診療は50年遅れている」という著書に明快に述べられている。
6.米国のアレルギー免疫療法を凌駕する長屋式減感作療法
以上、述べたごとく長屋式減感作療法は旧来の「減感作療法」と異なり、また米国で今日普及しているアレルギー免疫療法に基づきながらこれとも異なる、個々の患者を見据えた緻密な個別患者対応型治療法であり、それ故に患者にとって最大限の効果が期待される治療法ということができる。米国のアレルギー免疫療法(T)は汎用性のあるフォーマットにより患者の個別性を超越した医師にとって簡易な治療法であるのに対して、長屋式減感作療法(U)は患者の症状の個別性に注目した治療法であり、その治療効果には大きな開きがあるのは歴然としている。正に、青(U)は藍(T)より出でて藍(T)よりも青し、との格言が当てはまるのではないかと思う。
posted by AS at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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